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新型出生前診断(NIPT)の無認可施設の急増に注意

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先日、ご紹介いたしました「新型出生前診断(NIPT)と染色体異常」が好評です。

内容はこちら:新型出生前診断(NIPT)と染色体異常

 

しかし、これに関連して話題になっているのが新型出生前診断(NIPT)の無認可施設の増加です。

 

今回はこちらについてご紹介したいと思います。

 

新型出生前診断(NIPT)とは

 

まず、新型出生前診断(NIPT)とは、妊婦の血液を採取し、母体血の中に含まれる胎児のDNA断片を最新の医療技術を用いて検出し、染色体異常の有無を検査する診断のことです。

 

この検査で胎児の染色体疾患の約7割が診断できます。

 

新型出生前診断(NIPT)が行える施設が増えていますが、その背景には高年出産の増加があります。

 

35歳を超えた妊娠は様々なリスクが高まることがわかっています。

 

関連記事:高年妊娠による10個のリスクとその対策とは

 

その一つに、胎児の染色体異常の割合が増えることが様々な研究で示されています。

 

染色体疾患の中でも有名な21トリソミー(ダウン症)の発症リスクは、年齢によって大きく変動します。

研究では

 

30歳で1/952

35歳で1/378

40歳で1/106

45歳で1/21

 

にまで上昇するといわれています。

 

これらの研究結果を受け、高齢出産の場合には妊娠時に検査をすることを推奨されています。

 

染色体疾患については以前の検査では羊水検査で判断していましたが新型出生前診断(NIPT)により採血で診断できるようになったので、流産のリスクが格段に減少しています。

 

遺伝カウンセリングが必須な新型出生前診断(NIPT)

 

新型出生前診断(NIPT)は、日本産科婦人科学会の指針で、高年齢などの条件を満たす妊婦だけが受けられるようにしています。

染色体異常の疑いがある陽性判定が出た場合、確定のため羊水検査などが必要になります。

 

費用は約20万円です。

 

さらに日本産科婦人科学会に認可されている施設には遺伝カウンセラーがいます。

 

というのも、新型出生前診断(NIPT)で陽性だと診断された場合には、その後、非常に重い決断を下す必要があります。

 

出産をするか中絶をするか迫られるのです。

 

その決断は非常に重く、夫婦によっては診断前のカウンセリング時で、検査を受けないと決める方もいるほどです。

 

そのため、日本産科婦人科学会ではカウンセリングを重要視しており、認可している施設には遺伝カウンセラーをおくように義務付けているのです。

 

急増する無認可施設

 

一方で、無認可施設の場合ですと、遺伝カウンセリングを受けることができません。

 

また、もし陽性だった場合には、羊水検査を行いますが検査のために追加費用が発生することがほとんどです。

認可されている施設では、追加費用がないところがほとんどです。

 

つまり、認可されている施設では陽性時の対応が万全になっているのです。

カウンセリング時で陽性のときの心構えやその後のケアを配慮してくれるなどメンタル面のフォローをしてくれます。

 

そのようなことから日本産科婦人科学会では無認可施設での検査について注意喚起をしています。

 

 

しかし日本産科婦人科学会が注意喚起をしているにもかかわらず、無認可施設は急増しています。

 

このことを受け、厚生労働省は日本産科婦人科学会の指針に従わず、認定を受けずに検査を実施する医療機関の実態調査を行う方針を決めています。

年度内にも調査結果を集計し、適切な実施体制に向けて動きだすと発表しました。

 

流産のリスクなく遺伝子疾患を検査できる新型出生前診断(NIPT)ですが、ときには非常に重い決断を強いられることもあります。

 

心の問題をカバーできる施設が増えることを切に願います。

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